COI-NEXT事業説明会2025を開催しました
令和7年4月25日(金)にアオーレ長岡にて、『長岡技術科学大学COI-NEXT“コメどころ”新潟地域共創による資源完全循環型バイオコミュニティ拠点」事業説明会2025』を開催いたしました。
はじめに、今年度から本学に着任された、大矢禎一特任教授と鶴旨篤司特任教授から自己紹介をいただきました。お二方の着任により、COI-NEXTプロジェクトだけでなく、長岡技術科学大学の研究が、今後さらに推し進められることが期待されます。


本説明会の第一部では、本プロジェクト全体のビジョンと進捗について、小笠原渉プロジェクトリーダーより発表いただきました。その中で、「生活に密接に関係するお米は、「誰が、どんな思いで、どうやって」作られているかという、生産者の顔(こだわり)が生活者に見えにくくなっている現状があり、「見せられるプロセス」を重視していきたい」、「その『見せられるプロセス』によって生まれた食べ物に『価値』があることをサイエンスで証明していくことで、持続可能な農業を実現していきたい」というお話がありました。
発表の最後には、今年7月開所予定の長岡技術科学大学「リージョナルGXイノベーション共創センター」についても触れられました。本センターは、エネルギーと食の「自立」、ここでしかできない「実証」ができる場として、地域全体に研究のフィールドを作り、あらゆる分野の研究を行うことで、「持続可能な農業」の実現へ向けた研究を進めていく場所として建設されました。そこで行う大きな研究の1つとして、「雪室」でお米の「雪室貯蔵」を行い、お米がどのように変化するかを科学的に証明していきたいという話があり、参加者の方々は興味津々に耳を傾けていられました。


第二部では、課題1~課題6までの各課題担当者から、研究課題の進捗状況についての報告をいただきました。
本報告をお聞きになった参加者からは、『COI-NEXTプロジェクトが開始してから3年が経ち、試行錯誤しながら研究を進めてきて辿り着いた現在の進捗状況が、各課題”内”だけでなく課題”間”でも共有されたことで、お互いにとって良い刺激やヒントとなった』という声が聞かれました。今後の各研究課題がさらに推し進められることが期待される報告会となりました。
第三部では、パネルディスカッションを行いました。
パネラーとして、本拠点プロジェクトリーダーの小笠原渉教授、㈲百笑会の池田治様、長部農場の長部茂幸様、理化学研究所研究員の山﨑真一様、長岡技術科学大学の志田洋介准教授、滝本祐也助教、そしてモデレーターとして、本拠点副プロジェクトリーダーの中村徹特任教授から、登壇いただきました。
依存型の農業に頼らない農業の「自立」や「次世代」に繋げられる農業の実現など、農家さんと研究者がそれぞれの立場から活発な議論を行いました。特に、最前線で活躍されている農家さんの、「農業に懸ける想い」や、「現状に対する問題意識」についての話では、参加者の方々が食い入るように聞いていました。田植え前の最大繁忙期にも関わらず、おいでいただいた池田様、長部様、本当にありがとうございました。

その後、ワークショップを行いました。各研究課題の参画機関が集まり、「持続可能な農業の実現」「次世代へ引き継ぐ」をキーワードに、「何を今するべきか?」「何ができるか?」活発な議論が行われました。ワークショップは本拠点の活動をスタートさせてから、初めての試みでしたが、企業、研究機関の方々、学生、農家さんがそれぞれの立場、視点から真剣に議論を行う姿が見られ、一人ひとりが本プロジェクトに懸ける熱い想いがひしひしと伝わってきました。





最後に閉会にあたり、バイオインダストリー協会の中川智様よりご挨拶いただきました。中川様からは、本説明会の内容が非常に充実しており、興味深い話をたくさん聞くことができて素晴らしい会であったこと、そして、次世代の研究者がこれから素晴らしい未来を築いていくことへの期待感を感じることができたと総括いただきました。


当日は県内外から96名(会場参加68名、オンライン参加28名)の方々からご参加いただきました。
年度始まりのお忙しい中、お時間をつくっていただきありがとうございました。
今後とも本プロジェクト推進にご尽力賜りますようお願い申し上げます。