BioJapan 2025出展レポート
未分類 2025.10.15

BioJapan 2025出展レポート

2025年10月8日から10日にかけて、パシフィコ横浜で開催されたBioJapan 2025に、長岡技術科学大学COI-NEXTが出展しました。本記事では、今回の出展内容と、私たちが目指す地域資源完全循環型バイオコミュニティの実現に向けた取り組みについて報告します。

「MORI to TANBO」秋田県立大学×長岡技術科学大学 COI-NEXT

昨年に引き続き、今年も秋田COI-NEXTとの共同出展を実施しました。ブースのタイトルである「MORI to TANBO」には、二つの意味を込めています。

一つは、秋田の豊かな森林資源と、長岡が誇る田んぼという、それぞれの地域特性を表現していること。そしてもう一つは、森から田んぼへと連綿と続く資源循環のストーリーを象徴していることです。

森の落ち葉が土に還り、豊かな栄養となる。その肥沃な土壌が稲を育み、お米が発酵食品へと姿を変える。そして最終的に、私たちのもとに届く。森と田んぼ、そして田んぼと発酵が密接に関わり合う、日本古来の知恵の結晶と言えるでしょう。

日本が誇る固体培養技術を世界へ発信

今回のBioJapan出展では、長岡COI-NEXTの参画機関である企業様の発酵食品をブースで提供し、バイオテクノロジー分野の専門家の皆様に、お米と固体培養技術について説明する機会をいただきました。

微生物培養には、一般的に「液体培養」と「固体培養」の二つの方法があります。液体培養は、培養タンクなどを用いて効率的に微生物を増殖させる近代的な手法で、培養のしやすさやスケールアップの観点から、産業界では主流の方法です。

一方、日本が世界に誇る麹づくりは、固体培養という独特の技術を用いています。固体培養とは、米や麦、大豆などの固形物の表面や内部に麹菌などの有益なカビを生やして培養する技術で、醤油、味噌、清酒など日本の伝統的醸造に使用されます。

日本の麹文化は、固体培養技術を数百年にわたって代々受け継ぎ、洗練させてきました。単なる伝統技術ではなく、科学的にも優れた微生物培養システムとして、世界から注目されているのです。 今回築いたネットワークを基盤として、日本の発酵技術の国際的な認知向上と、新たな研究開発協力の可能性を探ってまいります。

おわりに

BioJapanでの出展を通じて、私たちの取り組みを国内外の多くの方々にご理解いただく貴重な機会となりました。

今後も地域の特性を活かしながら、持続可能な社会の実現に向けた研究開発を加速させる所存です。 ご参画いただいている企業・団体の皆様、ご協力いただいた秋田COI-NEXTの皆様、そしてブースにお立ち寄りいただいた全ての方々に、心より感謝申し上げます。